ニュース 2012.06

全国意識調査                                                                                          

                                                                            一般社団法人フェアトレードタウン・ジャパン

 

「フェアトレード」の認知率25.7%に上昇 

「見聞きしたことがある」は半数越え 

環境に配慮し、社会貢献に熱心な企業を支持

 

 一般社団法人フェアトレードタウン・ジャパンは、39日~12日に全国1076人(15歳~69歳)を対象に「フェアトレードと倫理的消費」に関する意識調査を行いました。

 

フェアトレードの認知率

 

 この調査では、フェアトレードという言葉を見聞きしたことがあると回答した人は50.3と、半数を超えました。過去4年間に行われたフェアトレードに関する種々の調査ではいずれも40%台にとどまっていて、50%を超えたのは今回が初めてでした。

 

 ただし、見聞きしたことがあっても株式や金融、スポーツに関わる言葉だと誤認している人が半数近くいて、「貧困」ないし「環境」と結びつけることができた人、つまりフェアトレードの意味を知っていた人の割合(=認知率)は25.7でした。(下表を参照)

 全国1,076

 

 人数

 

  %

貧困/環境に結び

つけられた人

 人数

   %

 

 1. 知らない

 535

49.7

   

 

 2. 見聞きしたことはあるが内容までは知らない

 322

29.9

   81

25.2

 

 3. 見聞きしたことがあり、内容も多少は知っている

 179

16.6

 156

87.2

 

 4. 見聞きしたことがあり、内容もよく知っている

  40

  3.7

   39

97.5

全体に占める割

 見聞きしたことがある (2+3+4

 541

50.3

 276

51.0

25.7 (276/1,076) 

 知っている (3+4

 219

20.4

 195

89.0

18.1 (195/1,076)

 

 200811月に同じ要領で行われた全国調査(チョコレボ実行委員会実施)では、見聞きしたことがあると答えた人は42.2%で、この3年半の間に8.1ポイント増えたことになります。この調査では、「多少」ないし「よく」知っていると答えた人に限って「貧困」ないし「環境」と結びつけられた人の割合を認知率と定義していて、その割合は17.6%でした。

 

 今回FTTJでは、内容まで知らなくても見聞きしたことがある人も含めてフェアトレードの意味を知っていた人の割合を認知率と定義することとしたため、2008年の調査との正確な比較はできません。2008年の調査時点で今回の定義に従って調査・集計したと仮定すると、当時の認知率は22.7だったと推定されます。この推定値を用いると、3年半の間に認知率は3.0ポイント上昇したことになります。


 こうした結果から、この3年半の間にフェアトレードという言葉は日本社会で着実に広がりを見せ、現在では半数以上の人が見聞きする言葉になっています。その一方で、フェアトレードの意味を正しく知っている人の増加はなお緩やかだと言えます。

 

 次に、年代別、男女別、地域別の特徴を見ると、フェアトレードという言葉を見聞きしたことがある割合は10代後半で64.620代でも54.9に達していて、若年層の間では身近な言葉になっていることが窺われます。ただ、認知率に関しては年代による大きな違いはありませんでした。

 

 男女別では、男性の認知率が22.8%だったのに対して、女性は28.5で、今回の調査でも従来どおり女性の認知度の方が高いことが確認されました。地域別の認知率は、下の表が示すように中部地方以東では認知率が高く、近畿地方以西では低い「東高西低」の傾向が明らかになりました。

 

 地 域

全国

九州

沖縄

中国

四国

近畿

中部

関東

北海道

東北

 認知率

25.7

20.2

20.6

22.2

28.6

28.7

26.6

 

フェアトレード製品の購入

 

 フェアトレードの意味を知っている人(認知者)のうち、実際にフェアトレード製品を購入したことがある人は35.5で、必ずしも認知が購入へと結びついていない実態が明らかになりました。購入したことがない理由としては、「どこで売っているのかわからない」(38.2%)、「どれがフェアトレード製品か区別がつかない」(37.6%)、「売っている店が近くにない」(32.0%)を挙げた人が多く、フェアトレードに関する情報が少ないこと、身近な所にないことが大きな要因であることが分かりました。

 

 購入したことがある人たちを見ると、男女別ではやはり女性が3分の2以上68.4%)を占めました。年代別では4049.1%)、6045.1%)が多かったことは、購買力が関係しているものと思われます。最も良く買われているフェアトレード製品はコーヒー63.3%)で、次いでチョコレート29.6%)、手工芸品24.5%)、紅茶/ハーブティー20.4%)の順でした。

 

貧困問題解決への貢献方法

 

 調査対象者全員に「途上国の貧困問題解決のために貢献したいと思う方法」を尋ねたところ、国際協力団体に寄付をする49.2㌽)に次いで、途上国の製品/産品を積極的に買う34.8)が選ばれました。食糧や物資を送る(28.7㌽)、途上国の現状をまわりの人に伝え問題意識を持ってもらう(22.6㌽)、国際協力団体でボランティアをする(11.9㌽)、現地でボランティアする(7.6㌽)貧しい子どもの里親になる(5.7㌽)などよりも多く、お買い物をすることで国際協力ができるフェアトレードの手軽さが多くの人に選ばれたものと思われます。

 

倫理的消費

 

 調査対象者全員に「買い物をする際の判断基準」を尋ねたところ、価格72.9)、品質60.8㌽)、デザイン31.5㌽)を選ぶ人が多く、環境への影響(1.7㌽)や社会への影響(0.3㌽)を選ぶ人は少数でした。

 

 また、全員に「日頃から意識的に購入している製品」を尋ねたところ、国産品44.2%)、健康に良い製品39.8%)、地元の製品27.0%)、自然食品/製品27.0%)、エコ製品25.3%)などが多い一方、フェアトレード製品(3.4%)や障がい者の人が作った製品(3.3%)を買っている人は少数でした。日本でも近年「倫理的消費」の意識が高まっていると言われますが、自分の健康や国産・地産など産地への関心が高く、また環境にもある程度配慮しつつも、不利な立場にある人や社会的な影響にはまだ目が向いていない様子が窺われます。

 

企業に対する消費者の姿勢

 

「どのような企業に好感を持つか」を全員に尋ねたところ、良質な製品を提供する企業(63.2㌽)、安い製品を提供する企業(38.1㌽)、名の通った企業(28.6㌽)、社会に貢献する企業(28.3㌽)、環境に配慮する企業27.0㌽)への好感度が高い一方で、グローバルに展開する企業(12.2㌽)、業績やシェアを伸ばす企業(11.4㌽)、株主への還元を重視する企業(6.2㌽)は低いという結果が出ました。

 

 また、「環境や社会に関して企業に対して取ったことがある行動」を全員に尋ねたところ、環境に配慮する企業の製品を購入した(50.1%)、社会貢献に熱心な企業の製品を購入した(27.8%)、環境に悪影響を及ぼす企業の製品の購入をやめた(25.8%)という人が多く、生産者や労働者を不当に扱う企業の製品の購入をやめた人(12.1%)も少なからずいました。また、環境や社会に配慮しない企業に不快/抗議の意思を表明した人も5.8%いました。

 

 こうしたことから、消費者は安さや品質を求める一方で、環境に配慮する企業や社会貢献に熱心な企業を高く評価していること、環境や社会に配慮しない企業の製品の購入をやめたり、不快ないし抗議の意思を表明したりする行動的消費者も一定数いることが明らかになりました。

 

フェアトレードタウン運動の成果

 

「まちぐるみ」でフェアトレードを推進するフェアトレードタウン運動は日本でも盛りあがりを見せています。そこで今回は、運動が活発な熊本、名古屋、札幌の各都市と東京で103人を対象に同じ内容の調査を行ったところ、以下のような結果が出ました。

  

 

 全国

 熊本

 名古屋

 札幌

 認知率

 25.7

 32.0

 38.8

 29.1

 

 全国調査と各都市の調査はサンプルの取り方が異なるため厳密な比較はできませんが、熊本市の認知率は32.0名古屋は38.8札幌は29.1と、いずれも全国平均(25.7%)を上回りました。とりわけ、最も取り組みが早く、20116月に日本初のフェアトレードタウンに認定された熊本は、九州・沖縄地方の認知率が20.2%と全国で最も低い中にあって飛び抜けて高い認知率を示していて、フェアトレード運動の成果が如実に現れたものと言えます。

 

 また、東京の認知率は45.6%と、半数近い人がフェアトレードを認知しているという結果でした。これは、フェアトレードという言葉や製品に触れる機会が多いためと思われます。

 

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の意味について

 回答者に優先順位が高い順に3つ(買う時の判断基準)ないし5つ(企業の好感度、貧困問題解決への貢献方法)の選択肢を選んでもらい、その回答を加重平均した値。最大値は100㌽(全員が同一の選択肢を一番目に選んだ場合、その選択肢は100㌽となる)。

 

調査方法について

 本調査は調査会社に委託してインターネット上で実施した。全国調査は性別と年代別の構成が実際の人口構成と一致するようサンプルを抽出した。熊本、名古屋、札幌、東京に関しては、人口構成を反映したサンプリングを行っていないため、大まかな比較はできても、厳密な比較には適さない。

 

200811月調査との比較について

 チョコレ歩実行委員会が200811月に行った全国調査は、調査対象、調査方法がほぼ同様だが、「認知率」の定義が異なる。同一の定義で比較すると、前回調査との経年変化は下記のとおりとなる。

  

                                                          200811            20123     変 化

 

 フェアトレードという言葉の流布度合               42.2                    50.3            8.1

 (人々が見聞きしたことのある割合)

 フェアトレードという言葉の認知率                  22.7%(推定値)*   25.7           +3.0

 (その意味を知っている人の割合)

 フェアトレードという言葉の認識率                  17.6                    18.1             +0.5

 (内容を多少/よく知っている人の割合)

 

* 今回の調査では、フェアトレードの内容までは知らないが見聞きしたことのある322人のうち81人、つまり4人に1人(25.2%)はその意味を知っていたことから、2008年の調査時点でも言葉を見聞きだけしたことのある4人のうち1人が意味を知っていたと仮定し再集計した。

 

フェアトレードタウンとは

 「まちぐるみ」(主に市町村単位)でフェアトレードの普及を図る市民運動のことで、2000年にイギリスで始まって以来世界各地に広がり、現在では23か国に1100以上のフェアトレードタウンが誕生している。その地域の市民、自治体、企業・商店、市民団体がフェアトレードの普及に力を入れていることを示す基準を満たすことでフェアトレードタウンに認定される。日本では、上記3都市のほか、逗子市、宇都宮市、一宮市などで運動が始まっている。

 

フェアトレードタウン・ジャパン(FTTJ)とは

 日本にフェアトレードタウン運動を広めようと、国内の主なフェアトレード団体や各地のフェアトレードタウン推進団体によって2010年に設立された一般社団法人で、基準の策定やフェアトレードタウンの認定を主な任務としている(http://www.fairtrade-town-japan.com/を参照)。

今回の調査は庭野平和財団、()ミニストップほか5社/団体からの支援も得て実施された。今後も同様の調査を継続的に行い、フェアトレードと倫理的消費に関する意識の変化を追うことにしている。

 

<お詫び>

 今回、認知率の定義を2008年の定義から変えたにも関わらず、3年半の間に認知率が17.6から25.7へと上昇したと一時誤って発表してしまいました。ここにお詫びして訂正させて頂きます。なお、FTTJとしては今回定義した認知率を今後とも使っていくことにしています。